一般社団法人Sango 公式ブログ 『ひかり』

沖縄県東村慶佐次の森、通称“お山”で活動している 一般社団法人 Sangoのブログです。わたしたちは、ここ“お山”の豊かな自然の中で、自分を成長させる霊的な学びを実践・実験していくことを大切にしています。 このブログでは、Sangoのことや活動内容、そして霊的な学びを紹介していきます。

中島敦「山月記」を読んで

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高校の時の国語の教科書に載っていました。夫のお家に行った時、文庫本がありまして、借りてきました。

名作の誉れ高い短編小説ですが、

その当時全く感動もなく、なぜ名作なのかわからなかったのです。それから40年近く経った今読み直してみました。

  

才能豊かな李徴(りちょう)は、官吏になることを選ばず、詩人として名を上げようとしますが、なかなか評価は上がらず、生活が苦しくなり、地方官吏となりますが、自尊心がズタズタになった李徴はついに発狂して虎になってしまいます。一方李徴のただ一人の友人袁傪(えんさん)は官吏として多くの従者を従え、人食いトラが出るといわれる所をまだ暗いうちに通ろうとしたところ、虎となった李徴と再会するのです。

 

李徴は自分の身の上を語ります。

臆病な自尊心があったため、進んで師に就いたり、詩友を求めたりして切磋琢磨に努めることもしなかつた。一生懸命努力することから逃げていた。尊大な羞恥心があったため、人とまともに付き合うことも出来なかった。

臆病な自尊心と尊大な羞恥心が己を損ない、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外形をかくの如く、内心にふさわしいものに変えてしまったのだ。

 

 

李徴の心情が今の私にはよく理解できます。高いプライドがあるばっかりに、前に進めないもどかしさ、イライラ。人に頭をさげられない。ごめんなさいもいえない。自分に何か間違いがあるんじゃないかとビクビクしているけれど、態度は尊大。以前よくはまっていた鬱的症状です。もこさんをはじめ、夫や共に生活していたsangoの仲間たちを困らせていました。疲労困憊させていました。鬱的症状に陥る度に、話をトコトン聞いてもらうことをしてもらいました。

「ありがとうございます。ごめんなさい。ゆるしてね。愛してますそして感謝」→ホオポノポノか❣️でも、これがピッタリ。

おかげさまで、虎にならずにすみました。いやいや、私の虎はまだ私の中にあります。管理、監督、観察してもっともっと飼い慣らしていくのです。「ゴロニャーン」と鳴く猫みたいになってくれるまで。最近かなりおとなしくなっていますが。

 

山月記」を読んだことで、思いがけなく、自分の過去と今の整理ができました。

 

 

読んでいただきありがとうございました。